このコーナーは日々の営業中に、石屋さんが教えてくれたり、自分で思いついたりしたアイディアです。
ちょっとしたアイディアのおかげで、今までの作業を劇的に改善できる可能性もありますが、すべてにおいて成功するわけでもありません。このアイディアにご自分の経験をプラスして、より良い作業方法を見つけていただければ幸いです。





11.コンテナバッグの紐をほどけやすくする方法(H29.7.3up)

 コンテナバッグ(下部が開口するタイプの土を運ぶ袋)の開口部を閉める紐は、上から土圧がかかりすぎるとほどけなくなります。

 そんな時は、購入時についている水ホース?を追加して?のように2連にします。?折ります。?折った先の余った紐をホースの根元で2周くらい巻きます。?余った紐の先端をホースの間を通して蝶結びにします。開口部を開ける時は蝶結びの部分を引っ張るだけで簡単にほどけます。

 こうしておけば、どんなに土圧がかかっても紐がほどけなくなることはありません。






10.移動用サンドタンクの砂づまりを防ぐ方法(H29.4.18up)

 湿気の多い梅雨時などは特に、現場彫りのサンドタンクの中の砂が湿気を帯びてノズルから出てこないこともしばしば。

 そんな時は、現場から帰ってきたらサンドタンクの蓋を開けましょう。そのまま放置して次の字彫りまで何もしないという方が多いと聞きますが、蓋を開けておくだけでタンク内の水分が蒸発して、次の字彫りのときには砂が乾いているそうです。
 中には丁寧に砂をタンクから出して乾かす方もいるようですが、それだと毎回面倒な作業ですので、この手軽な方法を是非お試しください。

 




9.ロール式カッティングプロッタでのゴムシート巻き込み防止策(H29.2.22up)

 ロール式のカッティングプロッターが普及していますが、プロッター上でのゴムの走行とゴムシートのロールが逆向き(写真1)なために、カット中にゴムの隅を機械に巻き込むことがよくあります。

 そんな時は、ゴムシートの紙を半分剥がしてから
(写真2)、再度貼り付けます(写真3)。これを半分ずつ繰り返すと見事に平らになります。ゴムにクセがついているのではなく、紙が外側にありゴムよりも面積が多い状態で巻かれているためで、剥がして再度貼り付けると平ら(写真5)になるのです。
 その後
(写真4)のような市販の内装用プラスチックローラーで、紙側の面をこすってゴムと紙を密着させます。これをきちんとやらないとカットしている最中に紙が剥がれます。
 
(写真1)(写真5)を比べていただければよくわかるように、これだけの作業でゴムを機械に巻き込む心配は全くなくなります。是非お試しください。






8.研磨盤が片べりする原因と対処法(H29.2.1up)

 研磨盤がなぜか片べりすることがあります。片べりすると研磨の精度にも影響し、さらには最後まで使い切れないという経済的な問題まで出てきます。
 ではまず、原因ですが研磨メーカー曰く、2つ考えられます。ひとつめは、フランジのガタまたはセンター出し不足。ふたつめは、研磨盤のチップの硬さのバラつき(これは石屋さんではどうにもなりません)だそうです。
 対処法は、とにかくフランジを付け直す。そのときに、最初に付いていた位置から180度回転させて付ける。そしてセンターをきちんと出す。すると徐々に片べりが解消するそうです。手遅れな状態になる前にやってみてください。







7.木の三脚の頭をロープで固定する方法(H29.1.23up)

 木で三脚を組んで現場で使う場合もあります。その場合の安全な結び方です。(右欄の「巻き結び」は最初の一本目にロープを固定する方法です。)





6.ネジ式花立ての台座を、現場で簡単に取る方法(H28.11.19up)

 古いネジ式の花立ての台座を取るには、花立てを石ごと工場に持ち帰ってタガネでつついたり、穴あけ機で取ったりしますよね。できれば現場でやりたいけれど、タガネでつつくと台座の回りを大きく欠くことがあるし、現場に穴あけ機はないし。

 そんな時は、サンワの乾式「ミニビット30Φ(M10)御影用」をグラインダーにつけて、ネジ式花立ての台座のヘコミにビットを当てて掘っていきます。台座のヘコミはちょうど内径30Φ弱なので、ビットで掘っていくと台座のネジ部が削れ、そのうち石と接着されている部分も削りだします。しばらくすると、台座はネジ部分がなくなり石からきれいにポロっと取れます。
 慌ててあまり強く負荷をかけすぎると、ビットが焼け気味になり切れ味が落ちますので注意してください。回転数をダイヤルで変えられるグラインダーがあれば最高です。
 発電機とグラインダーとミニビットだけで、石を欠く心配なく現場で台座交換が可能です。






5.黄色いカシューを使った時の、上手な金箔の貼り方(H28.11.02up)

 まず無風の状態を作ってください。工場のシャッターを閉めるか工場の奥へ行くかします。
金箔を貼る石材は、貼る面を上にした状態で置いてください。 

字彫りが終わった部分のゴムシートを剥がしてから、彫ったところを歯ブラシやの筆などできれいにしてゴミのないようにします。
 

 カシュー(黄色)を皿に大豆の大きさほど出します。原液のカシューを硬い筆につけ、彫った部分にまんべんなく薄く塗ります。このとき、絶対に塗り残しがないようにしてください。
5分くらいでカシューが乾きだすので、5分で金箔が貼れる面積まで塗ります。大きい面積を塗ってしまうと、金箔貼りが間に合わず、カシューが乾ききってしまいますので注意してください。
塗り終わったら、カッターの刃で石の表面についてしまった余分なカシューを削ぐようにしてきれいにします。 


 いよいよ金箔を貼ります。
細い固めの筆で、金箔一枚の端のほうから1cm角くらいにちぎるようにして、カシューの上に少しずつ金箔を軽くのせていきます。乾きの関係上、カシューを塗った順番と同じ順番にのせてください。のせたら筆ですぐに押さえつけずにどんどん次の場所へと移って作業を進めます。(隙間があっても気にせずに)
 ひと通り終わったら、金箔が足りずに隙間があったところへ金箔を追加してのせてください。
次に、軟らかい太い筆で金箔を軽くはたくように上から軽く押さえカシューにつくようにします。
このとき、筆を横にこするように動かさないでください。金箔が丸まってカスのようになってしまいます。筆が下地のカシューになるべくつかないようにして軽く叩いていきます。


 細い部分は軟らかい細い筆に換えて、粉のようになった金箔を集めるようにして入れます。
すべて隙間なく金箔が入り込んだら、あとは全体をやや強めに叩くように筆で押さえます。

この作業を、5分きざみでできる範囲で、繰り返します。

 すべて貼り終わって、30分くらい放置して完全に乾いたら、最後に金箔を石に密着させるため、やわらかい筆で金箔の上から少し強めにこすります。さらに細めのやわらかい筆で今度は横に強めにこするようにすると金箔にツヤが出ます。はみ出た部分はカッターの刃で削いだ後、うすめ液をきれいな布またはキッチンペーパーに染み込ませて、金箔を貼った部分にうすめ液が流れこまないように注意して拭いてください。




4.ブチルゴムが意外とくっついてとれない(H28.09.14up)

 地震による被害が増えた数年前から、箇所箇所にブチルゴムを使う石屋さんが増えました。
ご存知のとおり、ブチルゴムは衝撃に強く、ゆっくりとはがす力には弱いため、結構くっついてもコーキングよりはがしやすいというイメージがあります。
 そのため、墓誌の施工、展示場の石塔などの仮接着に使う石屋さんが増えました。
ところが、いざ外そうとしてもかなりの力ではがさないとならず、特に展示場に使用した石屋さんは外すのに非常に苦労して困っています。

 そんな時は、市販のスプレー式「パーツクリーナー」または「ブレーキクリーナー」をブチルゴムの隙間へ吹き付けると、2〜3分もしないうちに、かなりやわらかく溶け出します。ただし展示場のように4〜5箇所の点付けにしてブチルゴムを置いて、その回りには隙間がある場合だけですが。
「パーツクリーナー」はその他にも、石についた汚れや油分、テープの糊などをきれいにする効果があり、石を痛めませんので、是非試してみてください。





3. 石屋さんのホームページ:お客様目線のアドバイス(H28.8.28up)

 墓石業界、激変の時代です。
「みなさん、ホームページは絶対絶対必要です。持っていない方は急務です。」
 エンディング産業展に出展したような異業種は、ネットでの宣伝がとても上手です。
供養として間違っていることでも、あたかも正しいことのように活字を並べて、消費者を自分の考えに誘導していきます。
 消費者の方も「まずはネットから」という時代ですので、「ホームページがない=存在しない石屋さん」になります(もうなっていますよね)。石屋さんが思っている以上に、年配のお施主様でもネットを検索しています。それも都会だけの話ではなく、田舎でも同じことです。
 「HPはあるけど、問い合わせなんか全然こない」ってよく石屋さんから聞きますが、本当に自分のお墓作りへの思いやお客様のことを思ってそのページを作ったか、よくよく考え直した方がいいと思います。
いろいろな石屋さんのHPを見て思うことは、施工例やリフォームの写真が貼ってあるだけというパターンがほとんどです。代表者の顔写真さえないものもあります。
 
では、どうすればよいのか。HPで以下をアピールする
 1.お墓作りへの思い(絶対必要)
 2.いい仕事をしている(仕事へのこだわり、加工でも施工でも)
 3.お墓の大切さを語る(なぜお墓が必要か、借りてきたような言葉ではダメ)
 4.宗教的な話もできる(神道・仏教について、やはりこれなしでは語れない)
ことで、ファンをつくるのです。
 
具体的にどんなページにするかは、以下のとおりです。
 1.ある程度のお金を出して、きれいなサイトを作る。(手作り的なのはもうダメ)
 2.シンプルで見やすくてきれいであることが重要。
   (デザイン最優先でFlash動画を多用した閲覧しにくいのも△)
 3.代表者の顔写真を出すのは当たり前。(できれば話をしている動画)
 4.ありきたりの文章(たとえば、「お墓は心のよりどころです」みたいなテーマだけ)では
   心に届かない。その程度のことはどこのHPにも書いてあるから。
 5.「私たちは、お墓作りを・・・」が目立つが、「私は、・・・こう思う」の方が、
   良い印象が消費者に届くと思う。受け方が全然違う。とにかく、オリジナルな思い
   表現した文章が必要。
 
 昔は「いい仕事をしていれば誰かが見ていてくれる」という時代でした。僕も本当はそうあって欲しいし、そうあるべき業界だと思っていましたが、現実そうは言っていられなくなってしまいました。
これからは、いい仕事は当たり前で、それを自分からアピールしなければ、アピールだけが上手な業者にどんどん仕事を奪われる時代です。
 価格を前面に押し出してくる大手業者や、「お墓はいらない」と主張する業者とも対抗するには、相手の心に響くようなアピールをして、ファンをつけることが最も重要であり、残された道はそこにあると思います。
ネット上でもファンにすることは可能です。ファンになったその方はきっと実物のあなたに会いにお店に来るでしょう。






2. 古い石塔の字を活かしたまま磨き直す(H28.8.27up)

 古いサオの「○○家之墓」の文字を残したまま磨き直しを頼まれた場合、そのまま研磨機をかければ当然文字のカドが欠ける心配があります。

 そんな時は、文字の中にあらかじめ「石膏」を流して固めておけば、研磨機をかけても文字のカドは欠けません。但し、全部「石膏」で固めると、磨き終わった後にその「石膏」はなかなかとれません。
 それを防ぐには、石膏を入れる前に石鹸水を染み込ませた後に硬くしぼった新聞紙を文字に詰め込みます。サオの面から2分程下がったところまで詰め込んでから「石膏」をつめて固めます。
それから作業すれば、終わった後の石膏除去がとても楽です。






1. 奥行きが狭くてBOXが入らないところの現場彫り(H28.8.26up)

 奥行きが狭くて彫刻BOXが入らない、もしくはBOXは入っても顔が入らないので彫れない、という現場はよく聞きます。

 そんな時は、1リットル〜2リットルのペットボトルを、キャップ部分から10cmくらいのところでカットします。キャップを外して、飲み口の外からノズルを挿し込んで彫ります。
すぐ曇ってしまいますが、だいたいの勘で彫ることができます。心配な場合は途中で砂を止めて彫り具合を見ることは簡単です。
 砂の回収はできませんので、ペットボトルが石と接する部分の下だけ少し口を開けておけば、彫り終わった砂は下へこぼれます。ブルーシートを敷いておきましょう。
どうしても、見ながら彫りたい方は、石と接する部分の上の方を少しカットして、ゴーグルをして上から覗くことができます。




 

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